なれない人

何をやっても風格の出ない人の旅行記・エッセイ

合法ハーブ屋さん②

「この状態で音楽聴くと凄いよ」と言われて、店を出てクラブに行くことにした。

 

確かにベースの重低音が突き刺さって来る。

今までに感じたことのない感覚だったが、あまり記憶がない。

目が覚めるとクラブも終わっていて、気づけば朝だった。

 

外に出ると全然目が見えない。やばい副作用で目が見えなくなった!と焦っていたら、

コンタクトが外れていただけだった。

 

それから何日かして、残っていたハーブを家で吸った。

あの時は酒を飲んでいたので、単純に飲みすぎただけなのかもとちょっと思っていた。

しかし、そんな事はなかった。

数十分後にはフワフワしてきて、またあの感覚になった。

しかも今回はお酒を飲んでいないので、あの時とは違い色々なことに気付いた。

 

まずめちゃくちゃ飯がうまい。

おやつに買ったスーパーのみたらし団子が異常にうまい。

そして、音楽が想像以上にやばい。

メタルを流して目を閉じると、野外フェスの光景が浮かぶ。

曲に合わせて腕を回してみると、プロボクサー並みのスピードで腕が回転する

(する様に思う)

エロ本のエロ漫画を読むと異常にエロい。エロ過ぎる。

 

1時間ほど一人で部屋で楽しんだ頃に、急に電話が鳴った。

やばい、仕事先の先輩から引き継ぎの電話だ。

今考えれば出ずに、後でちょっとしてからかけ直せば良かったのに、

なぜか僕は頑張って自分を急に落ち着かせて出た。

自分の声が震えている気がして、電話を切ってから「やってしまったかも!」

という後悔が襲ってきた。

さっきまでエロ本を読みながら腕を楽しくグルグル回していたのに、一気に落ち込んできた。ネットには、バットトリップになったらとりあえず寝ろ!と書いてあったので布団に入った。

 

起きると何もなかったかの様に、ちょっとだけ寝起きのようなボーっとした感覚だけが残っていた。