なれない人

何をやっても風格の出ない人の旅行記・エッセイ

合法ハーブ屋さん①

これは今からもう5,6年ほど前の話

 

僕は、音楽や映画などの影響で好奇心からドラッグに少しだけ興味があった。

しかし、不良といわれる人達に知り合いもおらず、ドラッグは自分にとって縁のない遠い存在だった。

「バナナの皮を乾かして燃やして吸えば幻覚が現れる」というネットの記事を読み、

友達と試した事もあったが、タバコもほとんど吸ったことがないので、ゲホゲホむせて

終わっただけだった。

 

社会人も2年目になり僕は名古屋で初の一人暮らしをする事になった。

街で開催されていた「mixiの社会人オフ会」に参加した後、一人で街をブラブラしていると、置き看板があった。

 

「合法ハーブ」

 

その頃はまだ合法ハーブが社会問題としてニュースで扱われる少し前で、ほとんどの人がその存在を知らなかった。僕もまたその一人。

多少酔っていたこともあり、合法なら安心安心と階段を上がって行った。

扉を開けるとそこはバーだった。爽やかな若いストリート系のお兄さんが、「ハーブですか?」と声を掛けてきて、メニューを見せてくれた。

「~g=~円、ジョイント=~円」と銘柄とともに値段が書かれている。

僕はオススメと言われた500円のジョイントを買ってバーで吸うことにした。

バーのカウンターには「ハーブは鑑賞用なので間違って吸わないように気をつけて下さい」と張り紙がしてあった。

バーで飲んでいたお客さん数人が、「数分後に一気に聞くからちょっとだけにした方が良いよ」とか色々と教えてくれた。

 

「どう?効いてきた?」と聞かれた頃には、頭はグワングワン体はフワンフワンだった。